パチンコやパチスロをやらない人でも、「ゴト師」あるいは「ゴト行為」といった言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。
「ゴト師」、「ゴト行為」とはどういったものなんでしょうか。そして、もし自分の目の前でそういったあやしい行為が行われていたらどう対処すればいいのでしょうか。
パチスロ歴20年、パチンコ・パチスロ事情に詳しいライターさんに「ゴト師」について語っていただきました。
[公開日]2015年6月15日
[著]unkai
[編]マイコンシェルジュ編集部
ゴト師とは?
昔から、パチンコやパチスロといういったギャンブルには犯罪がつきものでした。
ゴト師とは、簡単に説明すると不正な方法を使って出玉やメダルを出す人たちのことです。またそういう行為自体をゴトといいます。
パチンコやスロットが世に出回ってからいつの時代にもゴト師という人たちはいましたし、その手口も様々なものがありました。
怪しい機械や道具を使うものもありますが、特殊な話でいうと打ち方だけで勝てる方法もありました。
この場合は機械の製造ミスでもあるのですが、レバーをゆっくりと叩くと一度前に揃えた図柄と同じものが揃うということで、ずっとメダルが出続けるようにボーナスを続けられるという手法がありましたが、こういう機械の欠陥は見つかれば即撤去でしたので長くは続きませんでした。
この時期にどこからか情報を入手してたくさん儲けた人もいるかもしれません。ただ、こういう方法を知っていて実施するということ自体、犯罪行為と同じなのでゴトと変わりはありません。
ゴト師のルーツ
ゴト師はどこからやってくるのでしょうか?まず普通に生活をしていてゴト師に遭遇しても見分けはつきません。ゴト師はそれだけを生業にして食べている人もいれば、本業は別でたまにコッソリと行うという人もいるでしょう。
しかしその方法や手口、道具などはどこから入手して会得するものなのでしょうか?一番近い存在としてはパチンコ店の店員や店長です。ゴト師はパチンコ店に行き来します。その中でゴト行為をしやすくするための方法を考えます。
店員や店長はある程度は機械にさわることができる存在ですし、その時にゴトの道具を入れたり行為を行ったりしやすくなるのです。ゴト師は店員や店長と友達になろうと近付いてきます。そして連絡先を交換したりご飯を食べに行ったりして相手の性格を探ります。お金に困っているようであればチャンスです。
ここでゴトは簡単だからと言って共謀を持ち掛けてくるのです。ゴト師は一見すると1人で行うように思われがちですが、こうやって誰かとグルになって行為を行っているケースの方が多いといいます。それもまさか店員や店長とグルになって行っているとは思われないので見つからないケースも多々あるといわれています。
ゴト師の元締め
ゴト師は単独で動いている人もいますが、組織でゴトをして稼いでいる人たちもいます。昔はヤクザの人たちが多かったようですが、今ではゴトの技術を伝授させて全国にゴト師を送り込む犯罪集団もあると言われています。
確かに元締めにしてみればお金が欲しい人にゴトの方法を教えてあげるだけで儲けになりますし、もし実践した人が捕まっても元締めの細かな情報を伝えていなければ知らないで済みますので安心です。最近ではそういった犯罪グループが水面下で増えてきているということです。
店長とゴト師の絡んだ犯罪
お店側にとったらゴト師は天敵です。店の売り上げを持っていかれるだけではなく、犯罪が続くと店長もそれなりの責任を取らされることもあるでしょう。ただ、本当のしわ寄せはお店や店長だけでなく、お客さんにも回ってくるということです。
店舗被害が100万円出た場合、それを一気に補填することは難しいでしょう。では、どうするのかというと設定などを修正してお客さんからの回収率を上げることで補填をします。もちろん、これも一気に全台そんなことをしたらお客さんも離れてしまいますよね。
だから、コッソリと裏で操作しているのです。でも、そうなると店長は少しの被害ならあまり自分には影響ないのでは?と思う人もいるようで、そういった店長が私利私欲のためにゴト師とグルになって不正に売り上げを取って、山分けするという事件がありました。
お店によっては未だに店長クラスが設定変更の内容を把握している店もあるでしょう。もし、その店長が誰かに頼んで一日中打ってこいと言ったらどうなるでしょうか?確かに高設定だからといっても100%勝てる補償はありませんが、勝つ確率は何も知らないで打つよりも断然高くて有利です。
もちろん、うまくいけば10万円以上も勝てるかもしれません。そんな美味しい台をコッソリ教えてもらえたら誰だって打ちたくなりますよね。そうやって誰かに頼んで儲けたお金を店長と折半するという犯罪がありました。店にしてみればたまたま運の良いお客さんが勝って帰ったというだけでしょうが、内部事情を知る者からすれば簡単なことでしょう。
しかもその行為自体はゴトではないので店長は知らぬ顔をしていればいいだけです。ただ、こういう犯罪は長持ちしません。なぜなら、打つ人にしてみればもっと勝たせろ!じゃないとバラすぞ!という事になるからです。だから検挙率も高いのでしょうね。
他にもゴト師と絡んで犯罪行為を黙認する店長もいました。役職上、お給料もたくさんもらっていると思われがちですが、それ以上に甘い話があるとついついその甘い話に乗ってしまって一緒に捕まるといったケースも多いようです。
目の前でゴト行為を目撃してしまったときの対処法
もしも、ゴト師を見つけてしまった場合やゴト行為を見てしまった場合、どういう対応が一番良いのでしょうか?単純に「この人!ゴト行為してます!」と言って店員の元に連れて行けばよいのでしょうか?残念ながら、こういった行為は非常に危険です。
なぜかというと、ゴト行為をしている人は組織の人が多いです。このゴト師一人を捕まえたところであなたに何のメリットもありません。
あったとしても、お店からの感謝くらいでしょう。もし、あなたが捕まえようとした人がヤクザ絡みの人ならばどうなるでしょう?顔を覚えられていつか仕返しをされるかもしれません。もし、万が一捕まえた人のゴト行為が立証できなかった場合はどうでしょう?あなたは名誉毀損で逆に訴えられる可能性もあります。
確かに正義感で悪い事を見逃せないのも分かりますが、こういったリスクを考えると無理にその場で捕まえたって危険なだけなのです。暴れてあなたが怪我をする可能性もありますので注意が必要です。
万が一巻き込まれてしまった場合は弁護士に相談するのがいいでしょう。
コッソリと店員に伝えるのがベスト
一番安全でお店のためにもなる方法がこれです。あなたは怪しい行動をしている人がいると伝えればいいだけなんです。あとはお店側がどう対処するかを決めるでしょう。
はっきりいってどこのお店でも、今までに一回はゴト師に遭遇して対処しているはずですし、お店に必ず対応マニュアルも置いているはずなので対応はお店に任せましょう。後日どうなったのか気になれば店員さんに聞けばもしかしたら教えてくれるかもしれません。
この記事を書いたライター【プロフィール】 | |
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ニックネーム:unkai | |
表向きは医療従事者として働き、裏稼業ではギャンブルを嗜む。パチスロ歴はおよそ20年。 多種多様な趣味で医療、癒し、美容、ギャンブルなどを中心に執筆活動をしています。 |